世界最大級の輸送機!C-5ギャラクシーの驚くべき能力

アメリカのC-5輸送機 アメリカ
この記事は約3分で読めます。

重装備を運ぶ超大型輸送機

すばやい戦力展開には空輸が欠かせませんが、空を飛んでいる軍用輸送機のうち、ひときわ目立つのがアメリカの超大型輸送機「C-5 ギャラクシー」です。

あのM1エイブラムス戦車を2両も運べるうえ、配備から半世紀以上が経つにもかかわらず、最新型の「C-5M スーパーギャラクシー」に改修されるなど、いまも現役で使われています。

  • 基本性能:C-5M「スーパーギャラクシー」
全 長 75.3m
全 幅 67.9m
全 高 19.8m
乗 員 7名
速 度 時速855km
航続距離 最大搭載時:約4,000km
高 度 約10,800m
輸送能力 貨物:127トン
人員:600名
兵 装 ミサイル警報装置
チャフ・フレア発射装置
価 格 1機あたり約200億円

ギャラクシーは120トン以上の積載量を持ち、同じ米軍が使う「C-17輸送機」の1.5倍にあたります。貨物室の前後にある扉を使えば、積載と荷降ろしを同時にできるほか、貨物室そのものが機体を貫く設計のため、あらゆる重装備を運び込めます。

たとえば、以下のような具体例があります。

     装 備 数 量
M1エイブラムス戦車 2両
M2ブラッドレー歩兵戦闘車 5両
ストライカー装甲車 7両
ハンヴィー高機動車 14両
MLRS自走多連装ロケット砲 4両
AH-64攻撃ヘリコプター 6機
CH-47輸送ヘリコプター 2機

 

 

 

 

加えて、西側標準の貨物パレットならば36個、追加座席を設けた場合、最大600人の兵士を輸送できます。驚くべきことに、分解・折りただんでしまえば、F-16戦闘機やF/A-18戦闘機まで収容可能です。

こうしたゆとりある柔軟性により、過去には国際宇宙ステーション向けのモジュールを運んだり、空中から大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射しました。

スーパーギャラクシーへ

アメリカはC-5の輸送力を活かすべく、ベトナム戦争と湾岸戦争、アフガニスタン戦争などで使い、災害時の人道支援でも重宝してきました。

耐用年数が過ぎたものは退役済みとはいえ、いまだ使える52機は「C-5M スーパーギャラクシー」に改修されました。

このスーパーギャラクシーは新型エンジンを積み、出力が20%アップしたのみならず、離陸時・上昇時の性能が高まり、稼働率と整備性も大きく向上しました。

また、コックピットはデジタル化とともに、最新の航法システムを組み込み、「空飛ぶ巨人」の操縦性を改善しました。

並んだC-17とC-5輸送機C-17(手前)とC-5輸送機(奥)(出典:アメリカ空軍)

したがって、アメリカの戦略航空輸送を引きつづき担うとはいえ、巨大すぎる機体は運用拠点が限られるため、その機数と短距離離着陸性能を考えれば、どうしてもC-17が主力扱いになります。

それでも、一気に大量の貨物を運べる点は変わらず、わざわざ後継機を開発する理由もないことから、2045年頃までは使われる予定です。

いいとこ取り?C-17輸送機「グローブマスター」とその後継
長距離空輸、短距離離着陸 アメリカ軍の強さの秘訣がいろいろあるなか、そのひとつが圧倒的な航空輸送力です。そして、この空輸能力をC-130輸...

コメント

タイトルとURLをコピーしました