contents
まだ使える「老兵」
90年以上が経つにもかかわらず、いまだ余裕で現役のM2重機関銃ですが、その後継の開発計画を巡り、何度か試作が試みられてきました。しかし、どれも総合性能と費用対効果で敵わず、最終的に「ボツ」になりました。
M2より優れた重機関銃が欲しければ、実際には開発できるそうです。
たとえば、アメリカが2009年に「XM806」をつくり、射撃時の反動を60%も減らしました。また、中国の「17-1式」は同じ12.7mmでありながら、重さは10.8kgしかありません(三脚込みでも17kg)。
このように現代の技術・素材を使えば、軽くて高性能な機関銃を開発できるものの、現行のM2で現場のニーズを満たしている以上、わざわざ開発・更新費用をつぎ込み、置き換える必要はありません。
大量に出回るM2を更新する場合、それは膨大な時間とコストがかかり、その間に複数の機関銃が混在します。米軍内、NATO内で混在状態を生み、運用上の互換性を損うよりも、現状を維持した方が合理的でしょう。
結局のところ、M2は最初から設計的に完成されており、これを費用対効果で超えられなかったわけです。
M2重機関銃(出典:アメリカ軍)
さはさりながら、アメリカでは再び新型の開発が始まり、次こそM2を超えるかどうか注目されています。前述のとおり、M2の信頼性と耐久性、整備性に勝つのは難しく、最終的には他の試みと同じく、開発中止で終わりそうですが。
あまりに完成度が高いがゆえ、M2は現在でも十分以上に使えるほか、遠隔操作式に改良するなど、現代戦に合わせた工夫も見られます。
少なくとも、B-52爆撃機と同じ「100年選手」になり、当面は姿を消さないのが確定です。

いまだ現役の64式小銃は果たしてポンコツなのか?
戦後初の国産小銃
「小銃(アサルト・ライフル)」は軍隊の基本装備にあたり、自衛隊でも黎明期に国産化を目指した結果、「64式小銃」が誕生しました。
...

コメント