それでも足りない?海上自衛隊・護衛艦54隻体制への増強

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次の汎用護衛艦は?

定数の増加に加えて、艦隊再編で対抗するわけですが、現状では船も人手も足りておらず、どこまで効果があるかは不明です。

「もがみ型」「改もがみ型」では省人化に取り組み、総合能力で汎用護衛艦に劣る代わり、多目的能力と量産性では優れています。

ただ、平素の警戒監視はともかく、有事はフリゲートだけでは足りず、やはり汎用護衛艦が欠かせません。

いまの護衛隊群の中身を見ると、年を追うごとに「むらさめ型」の旧式化が進み、「あさぎり型」「あぶくま型」が退役するなか、次の汎用護衛艦を検討する時期です。

近年のトレンドをふまえると、コンパクト化・マルチ能力を志向するでしょうが、主力を務める汎用護衛艦である限り、中途半端な性能では許されず、優れた総合能力が求められます。

現行の護衛隊群、大型護衛艦×32隻を維持するなら、次期護衛艦はフリゲートとは一線を画するはずです。

逆に深刻すぎる人手不足を受けて、汎用護衛艦そのものを廃止したあげく、新型FFMに統一する案も出ています。この場合、新型FFMの能力は汎用護衛艦に近づき、強化型のフリゲートになるでしょうが。

総合能力と生存性で劣る代わり、FFMシリーズは少ない乗組員で済み、限られた人的資源を有効活用できます。もし汎用護衛艦(27隻)をなくして、その人員を全て新型FFMに回せば、60隻分の乗組員は捻り出せます。

そうなると、イージス艦と無人水上艇と組み合わせても、艦隊の大半はFFMが占めることになり、前代未聞の大きな賭けになるでしょう。

まともな軍拡競争は無理

海自の艦隊再編にもかかわらず、中国海軍の増強ぶりを考えると、到底およぼないレベルです。

されど、中国に真正面から軍拡競争を挑み、大量建造することはできません。資金力が限られている以上、建艦競争では中国には勝てず、そもそも乗せる人もいません。

だからこそ、中国が進めてきたA2AD戦略、対艦ミサイル・ドローンを大量に使い、非対称戦で効果的に対抗すべきです。

もちろん、艦隊整備をサボるわけではなく、現行の海上戦力は維持しながら、中身を刷新せねばなりません。

では、いまの艦隊戦力で足りるのか?

ここで登場するのが「フリート・イン・ビーイング」。

「艦隊保全主義」とも呼び、相手との決戦を避けながら、海上戦力を温存する思想です。

たとえ戦力で下回っていても、出撃状態を維持するとともに、不定期に海上交通を妨害すれば、相手の作戦計画は大きく狂い、戦局全体に影響を与えられます。

その狙いは優勢な敵から主導権を奪い、向こうの自由にさせないこと。

海戦では敗者が大損害を受けやすく、彼我の戦力差が大きい場合、劣勢側は壊滅しやすいです。

しかし、こちらが戦力を温存しておけば、相手は最後まで警戒を解けず、思うように行動できません。いつ出てくるか分からない以上、一定の戦力が拘束されてしまい、常に注意を向ける必要があります。

昔のドイツ海軍が採用した戦術ですが、そのせいでイギリスは北海に戦力を割き、その分を他方面に回せませんでした。

これを日本と中国に当てはめると、海自は中国海軍の戦力に敵わずとも、存在するだけで彼らの注意を引き、戦力分散を誘発できるわけです。

ただ引きこもるのではなく、相手の海上補給路を襲撃したり、米海軍への支援を通して、無視できない存在になります。こうして対日用に戦力を割く分、本来の台湾侵攻・対米戦に回せず、作戦の成功率は下がる仕組みです。

つまり、同じ艦隊戦力を整えなくても、運用次第では大いに役立ち、非対称戦と組み合わせながら、艦隊保全戦術を駆使すべきでしょう。

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