どうなる?ロシア=ウクライナ戦争の行方について

ロシアとウクライナの国旗 外国関連
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ロシアの戦争責任について

和平の展望がほとんど見出せないなか、ロシア国内で政治的変化が起きれば、事態は打開できるとされています。

言いかえれば、プーチン体制の崩壊を期待しているわけですが、これはいささか甘い見通しと言わざるをえません。

たしかに、この戦争の責任は言うまでもなくプーチン大統領にあって、彼の意志や歴史観、強硬姿勢に基づいて戦争は始められました。

しかし、透明性に欠けた選挙とはいえ、彼を20年以上も選び続けているのはロシア国民です。

いまも積極的に支持する人は多く、たとえプーチン大統領が倒れても、プーチン路線を継承する者がその座に就くでしょう。そして、ロシア国民の大多数は引き続きそれを受け入れると思われます。

こうした点をふまえると、今回の戦争ではロシア国民にも一定の責任はあります。

もちろん、国家指導者の戦争犯罪と国民ひとりの責任は同じではなく、個人にできるのは戦後賠償金の負担、そして過去の反省ぐらいです。

差し押さえられたロシアの在外資産に加えて、ロシア国民の一部血税もウクライナの復興に当然あてるべきです。これは第二次世界大戦後に日本とドイツに課せられたのと同じで、加害者側は何かしらの償いをせねばなりません。

ところが、誇り高きロシア国民が「自分たち=加害者側」という事実を受け入れるのは容易ではありません。

ロシア国民の根底にはかつての大国意識が潜んでおり、ソ連崩壊後に大転落したトラウマも残っています。しかも、ソ連はアメリカなどの西側諸国と戦わずに瓦解したため、冷戦に負けたという歴史的事実を受け入れられず、その現状にも納得できていません。

まさにプーチン大統領がこの典型例とはいえ、こうした意識は一般国民にも多かれ少なかれ存在します。

こういう空気では陰謀論がまかり通りやすく、ウクライナのネオナチ化やロシア滅亡を企らむNATOの策謀を本気で信じる者も多いです。

はっきり言ってしまえば、「本物の戦争」をしないまま自滅したせいで、その自意識を変にこじらせてしまったわけです。

それは第一次世界大戦の敗因が国内の政治的混乱によるもので、軍事的敗北ではないと強がっていた戦間期のドイツに似ています(背後からのひと突き論)。

厄介なことに、このような意識はセルフ治癒が難しく、明らかな敗戦といったような現実を突きつけるしかありません。

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