バケモノ級しかいない
レンジャー隊員ですら「地獄」と呼ぶコースを突破しても、特戦群で待っているのは異次元レベルの訓練、超人クラスの同僚と先輩隊員です。
有名なエピソードによると、ある隊員は実弾射撃訓練において、標的の真横に同僚がいるにもかかわらず、走りながら全弾命中させました。真偽のほどは不明とはいえ、特戦群のチート級のスキル、メンタルお化けぶりを表す伝説です。
実際のところ、特戦群は他の部隊とは異なり、実弾射撃の回数が圧倒的に多く、年間の弾薬消費量で比較すると、それは「1個師団分」といわれています(他部隊が少なすぎる裏返しだが)。
すなわち、特戦群では射撃の腕が必然的に上がり、その練度は日本有数に違いありません。
なお、日々の訓練では飽きたらず、アメリカのグリーンベレーに研修で出向いたり、私費で他国軍に体験入隊、民間軍事会社で研修する者さえいます。
いろんな意味で「異常」なわけですが、その隠密性からメディアで話題になることはなく、これだけSNSの拡散力があるにもかかわらず、その活動内容は秘匿されてきました。全国報道でいえば、伊勢志摩サミット(2016年)のとき、対テロ警備が公開されたぐらいです。
オーストラリアでの訓練動画が2023年に公開されましたが、あとは基本的に想像に任せるしかなく、拉致被害者の奪還訓練、要人暗殺の研究をしている話が出ています。
影の部隊として隠密行動をとる以上、特殊部隊にはどうしても「闇」が発生してしまい、これは自衛隊の特戦群も変わりません。ある意味で最も期待されている分、知られてはまずい側面あっても、そこまで不思議ではありません。
特殊作戦団に格上げ?
さて、そんな特戦群は2026年に組織改編を行い、中央即応連隊(中即連)を統合しながら、新たに「特殊作戦団」を編成します。これは事実上の格上げに等しく、1,200人規模の部隊になる予定です。
ただし、その実態は既存部隊との統合であって、いきなり特殊部隊の要員が増えたり、役割が変わるわけではありません。
中即連は陸自でも精鋭部隊にあたり、対ゲリラを含む緊急展開の役割を持ち、多くの海外派遣任務もこなしてきました。
しかし、さすがに特戦群にはおよばず、両者の力関係と差をふまえると、特戦群の下に置かれる形です。
実際のところ、新設する特殊作戦団は習志野に本部を置き、基本的に中即連が実働任務を担いながら、特戦群は精鋭中の精鋭として扱い、最後の切り札になるでしょう。

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