フランスの突風?ラファール戦闘機の強さと評価

ラファール戦闘機 戦闘機
この記事は約3分で読めます。

コンパクトで高性能

NATO(北大西洋条約機構)の一員でありながら、フランスは独自路線を歩む傾向が強く、ルクレール戦車などの国産兵器を開発してきました。

そんなフランス産兵器のうち、ラファール戦闘機は高いマルチ能力を持ち、海外輸出でも一定の成功を収めています。

  • 基本性能:ダッソー・ラファール戦闘機
全 長 15.3 m
全 幅 10.9m
全 高 5.34m
乗 員 1名(複座タイプは2名)
速 度 マッハ2.0(時速2,450km)
航続距離 約3,700 km(増槽あり) 
高 度 約15,800 m 
兵 装 30mm機関砲×1
対空ミサイル
対艦ミサイル
誘導爆弾など
価 格 1機あたり約70億円

ラファールとは「突風」という意味になり、1980年代にダッソー社が開発した多用途戦闘機です。空母での運用を想定したところ、コンパクトな機体に仕上がりつつも、超音速の巡航能力と高い探知力、電子戦能力を備えました。

配備から約35年が経つとはいえ、ソフトウェア更新などで性能維持を図り、世代的には日本のF-2戦闘機と同じく、第4.5世代戦闘機に分類されています。

最新型の「ラファール F4」はレーダーや情報共有能力を強化しており、ネットワーク型の戦闘に対応するなど、その中身は飛躍的な進化を遂げました。

ミサイルを積んだ戦闘機改修しやすいのも魅力(出典:フランス軍)

フランスはドイツ・スペインと組みながら、次期戦闘機の計画を進めているものの、開発の行方が分からない以上、ラファールの近代化改修も行いながら、現行の運用体制を維持するつもりです。

一方、ライバルのユーロファイター「タイフーン」と比べても、ラファールは能力向上における柔軟性で勝ち、最短2時間でレーダーの換装さえできてしまいます。

最新戦闘機に手が出ない場合、こうしたアップグレードのしやすさは魅力的に映り、実際にインドやギリシア、インドネシアなどが購入済みです。

艦載型は核ミサイルも

ラファールは小型・軽量にもかかわらず、制空から対地・対艦攻撃まで行えるほか、エグゾセ対艦ミサイルのような国産兵器を多く搭載できます。また、NATO標準の兵器にも対応しており、過去にはアメリカの空母で一時運用されるなど、それなるの互換性を確保しました。

空母艦載型は「ラファールM」というタイプですが、これは空母「シャルル・ド・ゴール」の戦闘力の中核を担い、地中海や中東方面の空爆に投入されてきました。

ラファール戦闘機空母艦載機のラファールM(出典:フランス軍)

しかも、射程600kmの「ASMP-A」核巡航ミサイルまで搭載できるため、フランスの貴重な核戦力を支えています。

核保有国のフランスは他国に頼らず、核戦力も自前で調達してきましたが、ラファールはその柱のひとつというわけです。したがって、ラファールは核抑止という点でも、フランスにとって手放せない兵器になります。

フランスの誇りと象徴?原子力空母シャルル・ド・ゴール
貴重な「核兵器運用能力」 海軍力の象徴である「空母」のなかで、とりわけ強大なのが圧倒的な発電量と航続距離を誇る原子力空母ですが、この分野は...

コメント

タイトルとURLをコピーしました