平成の零戦!F-2戦闘機の性能と評価について

戦闘機
この記事は約4分で読めます。

対艦番長の「準・国産戦闘機」

F-2戦闘機はアメリカのF-16戦闘機をベースに日米が共同開発した戦闘機で、設計および生産は三菱重工業が担当した準国産機ですが、同社は第二次世界大戦の傑作機・零式艦上戦闘機、いわゆる「零戦」を生んだことからF-2も「平成の零戦」や「ハイパーゼロ」の愛称で知られています。

当初から対艦攻撃能力を持つ本機は制空任務に就くF-15J戦闘機と区別するために事実上の戦闘攻撃機といえる「支援戦闘機」と長らく呼ばれていましたが、今は「戦闘機」に名称が変更されました。

⚪︎基本性能:F-2戦闘機

全 長 15.5m
全 幅 11.1m
全 高 4.96m
乗 員 1名
※複座式のB型は2名
速 度 マッハ2.0
(時速2,450km)
航続距離 約2,900km
高 度 約15,000m
兵 装 20mm機関砲×1(固定)
対空ミサイル
対艦ミサイル
対地爆弾・ロケット弾
価 格 1機あたり約120億円

戦後初の国産戦闘機「F-1」の後継として開発されたF-2戦闘機は特に対艦攻撃能力が重視され、結果的に大型の対艦ミサイルを4発も搭載できるという世界的に見ても珍しい重武装を実現しました。

四方を海に囲まれた日本にとって洋上での敵艦隊の撃破は防衛上の必須課題なので、対艦ミサイルによる飽和攻撃を行うF-2戦闘機はまさに「対艦番長」といえる頼もしい存在です。

さらに、優れた搭載能力と高い運動性能のおかげで制空戦闘もでき、実際にF-15とともに日々のスクランブル任務に就いています。

大型対艦ミサイル(赤丸)を積んだF-2戦闘機(出典:航空自衛隊、加工:筆者)

機体はベースのF-16戦闘機よりも大型化したものの、当時の最先端技術であった炭素繊維材を用いて重量の増加を抑え、電波吸収材を使用することで従来機よりもステルス性を向上させました。

また、電子機器も最新のものを揃えましたが、特に三菱電機が開発した新型レーダー(AESA)の搭載は各国の注目を集めました。

このようにF-2は強力な対艦攻撃能力を持たせつつ、当時の最新技術を盛り込んだ期待の新鋭機でした。

開発時の苦難と今後の展望

日米共同開発によって高性能なマルチロール機となったF-2ですが、その開発は苦難の連続でした。

まず、初期構想を巡って日本国内で国産開発派と外国機導入派で意見が割れるなか、当時の日米貿易摩擦に加えて、日本が単独で高性能な戦闘機を作ることへの懸念からアメリカが日米共同開発を提案してきました。

しかし、アメリカのF-16をベースにしたにもかかわらず、核心技術は開示されない一方で、日本側は炭素繊維材や新型レーダーなどの新技術を全てアメリカに提供するなど、明らかに日本側にとって不利な条件で開発が進められました。

結局、アメリカの対日圧力に抗えずに苦労したこれら紆余曲折は今なお防衛関係者の間でトラウマとして残っています。

ただし、国産機の開発に約1,650億円を見積もった日本に対して、アメリカはこの算定を「甘い」と警告しており、最終的に開発費が3,000億円を超過したことを考えると、日本側も「甘い夢」を見ていたのは否めません。

さらに、冷戦真っ只中の当時において、アジアの対ソ戦略で重要な位置を占めていた日本が戦闘機開発に多額の費用を費やしたうえで失敗するのはアメリカとして好ましくなかったのも事実です。

さて、苦難の開発を経て2000年から運用が始まったF-2戦闘機は計94機が調達され、配備後はF-15に次ぐ主力戦闘機として航空自衛隊で重宝されますが、事故や東日本大震災での被災によって数機の喪失がしました。

また、 F-2はソフトウェアなどの改良が自由に行える準国産機の利点を活かして、空戦能力の向上や誘導爆弾「JDAM」の搭載に向けた改修が施され、いま飛んでいる機体は初期配備時と比べて各種性能が大幅にアップグレードされました。

しかし、近代化改修を受けたF-2といえども、機体寿命が存在する以上はいずれ限界を迎えるため、早ければ2035年から退役が始まる見込みです。

戦後初の国産戦闘機、F-1の評価について
練習機を発展させた戦闘爆撃機 敗戦で航空機開発が禁止されていた日本は、サンフランシスコ講和条約によって独立を果たすと国内航空産業が徐々に復...

コメント

タイトルとURLをコピーしました