洋上作戦を支える海上自衛隊の補給艦と次期構想

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海上での長期作戦に欠かせない

広大な海を航行する船は寄港を通じて燃料や食糧、真水の定期的な補給を受ける必要がありますが、しばらくは寄港を見込めない場合や軍事作戦中でのんびり立ち寄っている余裕がない場合は「補給艦」の出番になります。

これは外洋をそのまま航行しながら他の軍艦に燃料、食糧、弾薬を供給できる機能を持ち、長期間にわたる海上作戦には欠かせない存在です。

この「洋上補給」は高度な技量が求められ、例えば、燃料供給の場面では給油される側と補給艦はわずか40メートルほどの距離を保ちながら同じ速度で並走せねばならず、両艦の間にワイヤーとホースを渡して補給を実施します。

真水の供給でも同じ手法を用いますが、これは自動車でいうと1メートル未満の距離に幅寄せして、そのまま走りながら物を渡すようなものです。

給油ホース(左、赤丸)を使って給油活動をする補給艦(出典:海上自衛隊)

一方、食糧と弾薬の供給はワイヤーを張って、物資を吊り下げながら渡す「ハイライン移送」という方法が使われます。

これは吊り下げたカゴに人を乗せて移動させることもできますが、高所にぶら下がった状態で海上を移動するのでかなりスリル感があり、海上自衛隊の新米幹部たちが練習艦で行う遠洋航海の目玉イベントともなっています。

このように洋上補給では、軍艦同士が一定の間隔と同じ速度を維持しなければならず、高い操艦技術と手際の良さが求められるのです。それでも、寄港するよりは短時間で済むうえ、補給場所も柔軟に選べます。

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