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欠陥の発覚と将来の見通し
いまでも十分に通用する性能があるものの、一部では「欠陥」「失敗作」と酷評する声があります。
これは2014年に発覚した製造問題が原因です。
具体的にいえば、製造時に空けた穴の研磨が足りず、機体寿命への悪影響が指摘されました。その結果、年間飛行時間が半減されるなど、運用上の制約がつきまとうようになりました。
ただし、これは構造的な欠陥ではなく、あくまで製造上の問題であるため、発覚以降の量産機については、その製造方法を見直しています(2014年以前のものは根本的解決はしていないが)。
この問題で一時は評判を落としたとはいえ、全体的には大きな影響を与えていません。
すでにオーストリアやサウジアラビア、クウェート、オマーン、カタールで使われているほか、最近ではイタリアやドイツが追加購入しました。
現在もトップクラスの空戦能力を持ち、ステルス機よりも安いマルチロール機である点をふまえれば、決して弱い失敗作ではありません。
一方、費用対効果と発展性を考えると、選択肢として「中途半端」になりつつあるのも事実です。
同じマルチロール機で比較すれば、タイフーンは爆弾を装備したまま空戦できるほか、そのステルス性はラファールを上回るとされています。
しかし、レーダーの性能や信頼性、全体的な運用コストでは不利とされるなか、超音速巡航能力を獲得したスウェーデンのグリペン戦闘機などにも、今後厳しい戦いを挑まれるでしょう。
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