T-5練習機の飛行性能とその珍しいコックピット配置

自衛隊
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海自が使う初等練習機

自衛隊パイロットといえば、どうしても航空自衛隊のイメージが強いものの、海上自衛隊で哨戒任務などに就くパイロットたちも忘れてはなりません。

主にP-1哨戒機や護衛艦搭載型のSH-60哨戒ヘリコプターを操る海自パイロットたちも、空自パイロットと同様にみんな航空学生からスタートしました。そして、その際に初めて乗ったのが海自だけで使われている「T-5練習機」というプロペラ機です。

⚪︎基本性能:T-5練習機

全 長 8.44m
全 幅 10.04m
全 高 2.96m
乗 員 2名(最大4名)
速 度 時速357km
航続距離 945km
高 度 約7,600m
価 格 1機あたり約2.3億円

T-5練習機は同じ富士重工業(SUBARU)が製造を担い、空自学生が乗る「T-7練習機」と見た目が似ていて、基本性能もさほど変わりません。どちらも初等飛行訓練を意識した操縦のしやすさと良好な飛行性能が特徴的です。

しかし、T-5練習機は縦列配置のT-7と違って、コックピット内の座席が横並び、つまり並列配置になっています。これにはきちんとした理由があって、空自パイロットが主に目指す戦闘機は縦列配置ですが、海自の哨戒機やヘリは並列配置だからです。

よって、操縦する学生は真横の教官から怒鳴られるわけですが、後ろから怒声が飛ぶのと比べて、どちらがまだマシなのかは分かりません。

また、空自のT-7が定員2名なのに対して、海自のT-5は横並びの座席が前後に配置されているため、最大4名まで搭乗可能です。

エンジンはT-7と同じようにロールス・ロイス製のターボ・プロップを採用した結果、機体そのものは意外に大きなパワーを持ってます。こうした出力の大きさと優れた操縦性は、同機が飛行教官たちで構成する曲芸飛行隊「ホワイト・アローズ」で使われる理由にもなりました。

ただ、学生の飛行訓練ではあえてパワーを絞っており、おかげで訓練時の騒音は少ないようです。

今後も調達は続く見込み

海自では1989年から導入を始め、合計36機が山口県・小月航空基地の第201教育航空隊に配備されました。その後、老朽化と事故で再調達が行われ、現在は30機前後を運用中です。ちなみに、この再調達機体ではコックピットの一部計器類がデジタル化されたり、全体的な安全性も増しました。

最後の調達から10年がすぎたものの、海自では今後も飛行時間の限界に達した機体から新しいT-5へと順次更新していくつもりです。これはT-7練習機から別の後継機へ移ろうとしている空自とは対照的な動きといえますね。

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