リーパーの派生型
近年は自衛隊でも無人機の導入が進み、人手不足を緩和したり、長期の警戒監視を担える存在として期待されています。
すでに陸上自衛隊がスキャン・イーグル2、航空自衛隊がグローバル・ホークを使うなか、海上自衛隊も「MQ-9B・シーガーディアン」の導入を決めました。
「海の守護神」という意味を持ち、大型タイプの無人機になりますが、これは米軍の「MQ-9・リーパー」の派生型にあたります。よって、その詳しい性能については、下記の記事を参照してもらえればと思います。
ただし、リーパーのような戦闘攻撃型ではなく、あくまで警戒監視用であることから、基本的に武装はしてません。その代わり、シーガーディアンは長時間の洋上飛行を行うべく、燃料タンクが拡張されました。
その結果、連続滞空時間は28時間から35時間まで伸び、海上監視レーダーに加えて、「AIS」という船舶の自動識別装置を使いながら、不審船と外国艦船を認識します。
また、小型船舶や要救助者を発見すべく、超精密なカメラが搭載されており、高度4,000mから車両さえ識別可能です。
つまり、シーガーディアンは攻撃ではなく、洋上監視に特化した無人機になります。
じつは海上保安庁が先
海自での採用が話題になったものの、2022年に導入した海上保安庁の方が「先輩」に当たり、八戸基地で3機を運用してきました。さらに2機を購入して、北九州空港に配備予定のため、将来的には計5機体制になります。
その後、2023年に海自でも試験運用が始まり、今後は約10年間かけて23機をそろえるつもりです。
奇しくも、というよりは、必然的に海自も使うわけですが、おかげで両者の連携が加速しました。どちらも長時間にわたる警戒監視を行い、海の番人として一部任務が重複する組織です。
その両方が同じ無人機を使えば、よりスムーズな情報共有、運用時のさらなる連携が期待できます。
しかしながら、海自・海保の監視エリアを考えれば、30機未満という数では足りず、少なくとも1.5〜2倍はほしいところです。
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