どうなる日韓関係!韓国大統領の戒厳令事件で反日政権へ?

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大統領による一夜の暴走

日韓関係は2010年代後半に「戦後最悪」まで落ち込み、歴史問題は言うにおよばず、2018年のレーダー照射事件など、軍事衝突の危機にまで発展しました。

その後、2022年には尹錫悦(ユン・ソンニョル)が大統領になり、前任の文在寅とは異なり、日韓関係を重視しました。対北朝鮮をふまえて、現実路線の対日外交を歩み、それは歴代の保守政権でも異例の友好姿勢でした。

その結果、日韓の関係改善は大きく進み、軍事交流の再開や安保協力の強化、歴史問題の後回しなど、戦後最悪からの180度転換になりました。

停滞していた日米韓の連携にも取り組み、2023年の首脳会談では「制度化」まで持っていきました。このあたりは、以前の記事で詳しく書いています。

日米韓の安全保障関係と軍事同盟の可能性について
日韓の相互依存関係 安全保障環境が厳しい北東アジアにおいて、日本と韓国は同じ民主主義国家として、アメリカの同盟国として重要なポジションを占めています。...

この「キャンプ・デービッドの精神」に基づき、ユン大統領は国内支持率が落ちても、反日的な言動は行わず、日米韓の連携を守り抜きます。

保守政権であっても、支持率が落ちると反日政策に走り、国民の目をそらそうとするのが従来のセオリーでした。一方、ユン大統領はこの安易な人気取りをせず、過去の政権とは一線を画します。

日韓首脳会談日韓関係を立て直した功績は大きい

残念ながら、そんなユン政権は人気がなく、政策への不満やスキャンダルも加わり、支持率は20%〜30%の低空飛行を続けました。「親日」と見なされたのも、支持率低下の一因だったため、大統領が自身の人気を犠牲にしながら、関係改善を進めたのがわかります。

こうしたなか、2024年12月にいきなり戒厳令を敷き、「上からのクーデター」を試みました。支持率が低いうえ、野党優位の国会では法案が通らず、官僚が次々と弾劾された結果、なんと戒厳令で事態打開を図ったわけです。

野党の動きを「反国家行為」として扱い、その背後には北朝鮮がいるとしました。たしかに、野党や大学には北朝鮮シンパが入り込み、北朝鮮の思想工作がある程度は浸透してきました。

しかしながら、その現状は国家的危機とまではいえず、戒厳令を出すほどの切迫感はありません。戒厳令は緊急事態に出すものですが、それを自らの政治生命を救うため、あるいは独自の危機感から発令しました。

果たして政権維持の最終手段だったのか、それとも本当に非常事態だと信じていたのか。

いずれにせよ、実動部隊の軍や警察はやる気を出さず、国会が無効化の決議を通して、わずか6時間で失敗に終わりました。

結果的に見れば、韓国は民主主義陣営に踏みとどまり、多くの流血で生まれた民主主義はなんとか守られました。このこと自体は喜ばしく、危機を乗り越えた国民や議員の行動は賞賛に値します。

保守勢力の壊滅、左派革新政権へ

しかし、日韓関係は再び悪化に向かい、ここ数年の努力は雲散するでしょう。

なぜならば、保守系大統領の暴走で保守勢力が終わり、左派の革新政権になるのが確実だからです。

野党の「共に民主党」は北朝鮮に甘く、日本には厳しいスタンスをとってきました。それを率いるの現党首は李在明(イ・ジェミョン)ですが、彼は日本を敵性国家として扱い、歴史問題や原発処理水でも強硬派です。

過激な発言をすることから、「韓国版トランプ」とも呼ばれており、徴用公や慰安婦問題を蒸し返して、安保協力も再び滞るでしょう。少なくとも、次期政権の対日姿勢は期待できず、日韓関係の後退はほぼ既定路線です。

キャンプ・デービッドの精神は生き残れず、程度の差はあれども、次期政権は親北朝鮮・反日になると思われます。せっかく岸田・ユンが心血を注ぎ、日韓関係を軌道修正させたにもかかわらず、そのユン大統領が一夜で崩壊させました。

加えて、しばらくは保守政権が生まれず、左派革新政権が続く可能性が高いです。

ユンソンニョル大統領突然の戒厳令で政治生命が終わる

北朝鮮有利の融和政策を図り、日韓関係を逆行させれば、それはアメリカの失望(激怒)につながり、米韓同盟にもヒビが入ります。

韓国の親北勢力は想像以上におかしく、一部は金正恩に対する尊敬の念を抱き、もはや「従北」と呼んでも差し支えありません。北朝鮮の思想工作の影響でもあり、なかなか根深い問題ですが、どこまで次期政権に入り込み、対米関係に悪影響を与えるかが最大の懸念です。

歴史問題は厄介なものの、安全保障上の実害はそこまでありません。これに対して、従北・反米は金正恩を利するだけでなく、朝鮮半島を「東側」に傾ける危険行為です。

露骨すぎる反米政策はせずとも、共同歩調を乱す可能性は高く、アメリカもついにサジを投げかねません。ましてや、もともと海外駐留に否定的なトランプ大統領です。在韓米軍の撤退という最悪のシナリオさえ考えられます。

そうなれば、最前線は対馬まで下がり、日本の負担が危機的に増えるだけ。台湾有事が迫るなか、韓国の保守勢力が壊滅したあげく、ここで従北の左派政権が誕生するのは、もはや悪夢でしかありません。

岸田・ユンが築いた友好関係が終わり、再び寒い時代に突入するわけですが、ユン政権は本当に惜しいことをしました。

日米韓の安全保障関係と軍事同盟の可能性について
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