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最新の11式装軌車回収車
90式に続いて開発されたのが、10式戦車向けの「11式装軌車回収車」です。
名称が「装軌車回収車」に変わりましたが、これは回収対象が戦車だけではなく、それ以外の車両も含まれているからです。
「大は小を兼ねる」のとおり、重い戦車を引っ張れる力があれば、それよりも軽い車両も助けられます。
ちなみに、戦車回収車はキャタピラ式の車両を運びますが、タイヤ式(装輪車両)の場合は重装輪回収車という別の専門車両の出番です。こちらは戦車回収車とは異なり、大型レッカーのような見た目をしています。
最新の11式装軌車回収車(出典:陸上自衛隊)
さて、話を11式装軌車回収車に戻すと、対象の10式戦車が軽くなったところ、そのけん引能力は90式戦車回収車より抑えられました。だからといって、11式装軌車回収車が90式戦車を運べないわけではなく、あくまで主対象に合わせて軽量化されたわけです。
そもそも、自衛隊が戦車定数を削減するなか、戦車回収車の配備数も数を減らしつつあります。全国的には16式機動戦闘車(タイヤ式)の配備が進み、むしろ重装輪回収車の方が求められている状況です。
そのため、最新の11式装軌車回収車といえども、多くて30両ほどに終わるのではないでしょうか。また、北海道の戦車部隊は維持されるほか、戦車自体がなくならない以上、回収車の存在意義もなくなりません。

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