ジャベリン対戦車ミサイルの驚くべき威力、そして値段は?

対戦車ミサイルを撃つ兵士 アメリカ
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大戦果をあげた「聖ジャベリン」

さて、高い威力と命中率を誇るジャベリンですが、初実戦のイラク戦争でイラク軍戦車(旧ソ連製)を撃破したのを皮切りに、アフガニスタン戦争の対テロ戦闘でも多用されて陣地破壊などで活躍しました。

それでも、ジャベリンの名前を一躍有名にしたのがロシア=ウクライナ戦争における大戦果である点は衆目の一致するところでしょう。

圧倒的多数の戦車で侵攻したロシア軍に対して、アメリカが大量のジャベリンをウクライナに供与した結果、ロシア軍の戦車や装甲車両は次々と撃破されて、短時間で首都キーウまで到達するという目論見を大いに狂わせました。

むろん、ロシア側も手をこまねいていたわけではなく、トップ・アタック対策として戦車上部に鉄製ケージをつけたりしたものの、砲塔直下の弾薬庫に引火して吹き飛んだ多数の残骸を見る限り、あまり効果はなかったようです。

改めて世界最高峰の性能を証明しつつあるジャベリン(出典:アメリカ軍)

まだ詳細な戦果は不明なものの、2022年3月時点で280両の戦車を撃破していた点を考えると、現在の撃破数は1,000両近くになるのではないかと推測します。

実戦でも90%以上の命中率を発揮しているジャベリンですが、そもそもロシア戦車を倒す目的で作られた兵器なので、ロシアの侵略を受けるウクライナにとっては、まさに救世主といえる存在で、現地では感謝と親しみを込めて「聖ジャベリン」と呼ばれています。

ウクライナにおけるジャベリンの戦果を正確に把握するには時間がかかりますが、ロシア戦車に対して想定通り、もしくはそれ以上の猛威を振るってきたのは間違いなく、ジャベリンが世界最高峰の対戦車ミサイルであることを証明した形です。

では、一気に名をあげたジャベリンを日本が導入する可能性はあるのでしょうか?

欧州における今回の戦争は自衛隊にとっても決して他人事ではなく、むしろ現代戦に関する多くの教訓をもたらします。

しかし、陸上自衛隊は「和製ジャベリン」とも呼ばれる「01式軽対戦車誘導弾(LMAT)」を約1,100セット配備しているうえ、カール・グスタフ無反動砲やパンツァーファウスト3も運用しています。

ほかにも、車両搭載型の対戦車ミサイルを複数運用しているなど、すでに対戦車火力はかなり充実しており、あえてジャベリンを購入する理由はありません。

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