普通科中隊の頼れる火力
戦闘では火力が勝敗を分けやすく、敵を阻止する防衛戦でも、攻勢をかける場合でも、火砲抜きでは作戦は成功しません。
そんな火砲といえば、榴弾砲などが目立つとはいえ、最前線の兵士の視点で見ると、迫撃砲が最も身近だったりします。
しかし、同じ迫撃砲といえども、大きさと種類で運用難易度が変わり、120ミリ重迫撃砲は高い火力があるものの、人力では輸送・展開できず、運搬車両を用意せねばなりません。
それゆえ、陸上自衛隊では120ミリ重迫に加えて、もっと軽量な「81ミリ迫撃砲(L16)」も運用中です。
- 基本性能:「L16」81ミリ迫撃砲
| 全 長 | 1.28m |
| 口 径 | 81mm |
| 重 量 | 36.6kg |
| 射 程 | 最大5,650m |
| 発射速度 | 最大20発/分 |
| 要 員 | 3名 |
| 価 格 | 1門あたり約1,000万円 |
L16はイギリスが1965年に開発したあと、陸自では旧式の「64式」を更新するべく、1990年代に普通科(歩兵)に導入しました。
重さ56キロの64式に比べると、L16は約3割も軽くなったほか、最大射程も1.6倍になりました。
アルミ合金を使用したところ、同じ81ミリ口径と比較しても、かなり軽量で運用しやすく、分解して3〜4名で運べるため、普通科中隊(歩兵)で重宝されています。
国土の2/3以上が山地である以上、日本では軽量な機動火力が欠かせず、81ミリ迫撃砲はそのひとつです。
しかも、軽量化は運搬時の負担を減らすとともに、一緒に運べる弾薬の増加につながり、結果的に継戦能力を増大させました。
バランスの取れた威力と速度
運用は照準係と装填係、装薬を調整する弾薬係で行い、ここに全体を指示する班長が加わります。
砲身はライフリング構造を使っておらず、むしろ砲弾側に翼を付けながら、安定的な軌道を描く仕組みです。
砲弾は通常榴弾、発煙弾や照明弾から選び、装薬(推進薬)の量を調整すれば、射程を柔軟に変えられます。
81ミリ迫撃砲の発射(出典:陸上自衛隊)
気になる威力については、半径30メートルの人間を死傷に追い込み、非装甲車両は言うまでもなく、装甲車両も直撃さえすれば、破壊・大破できます。
良い事例ではありませんが、誤って演習場外に着弾したとき、40メートル先の車のガラスが割れました。
なお、よく訓練されたチームなら、毎分20発の発射速度で撃ち込み、濃密な支援火力を展開可能です。
砲身の加熱を考えると、20発/分は持続できないとはいえ、重さ4キロの砲弾が連続で降り注ぎ、破片を撒き散らすのは恐怖でしょう。


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