自衛隊は使いこなせる?小型ドローンの評価と課題について

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偵察から攻撃まで使える

いまや無人機(ドローン)は現代戦に欠かせず、情報収集から自爆攻撃にいたるまで、あらゆる任務に投入されてきました。ロシア=ウクライナ戦争を見ると、もはや使い捨ての消耗品であって、毎月20〜30万機を使用しています。

では、戦闘ではどのような位置付けなのか?

まず、偵察から戦果確認までの流れにおいて、ドローンは戦場の「目」として役立ち、特に砲兵の弾着観測で必須になりました。航空機より探知されづらく、使用側の人的リスクがないため、ドローンは偵察にぴったりです。

ドローンを飛ばす兵士(出典:米海兵隊)

他方、自爆型は戦車や装甲車、生身の兵士に突っ込み、対車両・対人の両方で大活躍します。いまや白昼堂々の進軍はできず、最前線を歩いていれば、すぐドローンが飛来する状況です。

戦争初期は攻撃の「主役」ではなく、あくまで補助的な兵器として使い、損傷・遺棄装備にトドメを刺していました。しかし、主要な攻撃手段になり、死傷者の7割がドローン由来です。

もちろん、ドローンにも欠点はあります。

ドローンを遠隔操作する場合、操縦手は周波数帯域の制限に悩み、前線では混線と相互干渉が頻発中です。限られた周波数帯を奪い合い、敵の妨害も入り込み、悪天候では行動が制限されます。

それでも、前線の火力不足・火力差を埋めるほか、高価・高性能なミサイルに代わって、低速・安価な代替品になりました。しかも、現場で調達から運用まで行い、小部隊が自由に使える火力です。

自衛隊で使うハードル

では、米露の総括を受けて、自衛隊はどうすべきか?

新装備の導入が遅いとされるなか、すでに自衛隊におけるドローン運用は進み、航空自衛隊のグローバル・ホーク、陸上自衛隊のスキャン・イーグルが代表例です。

なお、陸自に限っていえば、上空からの弾着観測を行うべく、2000年代から無人ヘリを使っています。

導入が進んでいるとはいえ、スピード感と技術面で遅れはとっており、多種類を大量生産する中国と比べた場合、日本は研究開発と実用化で追いかける立場です。この辺はイノベーションが苦手、スピード感に欠ける「体質」の問題であり、ドローンに限った話ではありませんが。

なお、小型ドローンが消耗品と化すなか、自衛隊がそのように扱えるか、という疑問はあります。

自衛隊は「物品愛護」「徹底管理」の精神が根付き、備品(官品)を超大事にする組織です。薬莢ひとつの紛失も許さず、行方不明の備品は見つかるまで、全員で捜索してきました。

血税を大切にする証とはいえ、物品愛護の精神も度が過ぎると、無人機運用の障壁になりかねません。

ウクライナでの使用状況を参考にすると、大量のドローンを飛ばしながら、戦闘訓練することになります。仮に訓練中にドローンを紛失した場合、操縦者は懲戒処分を受けてしまい、隊員の意識に影響するでしょう。

紛失リスクを恐れるあまり、思うように訓練に挑めず、能力の錬成に響くかもしれません。つまり、ドローンは消耗品であるがゆえ、自衛隊の組織文化とは相性が悪く、規則の改正や意識改革が必要です。

そして、これだけではありません。

ドローンの訓練には広く、電波干渉の恐れがない場所が必要です。

駐屯地・基地には運動場はあるものの、周辺の住宅や民間施設への影響を考えると、対電子戦訓練は言うまでもなく、操縦訓練すらままなりません。山中の演習場に行っても、周辺地域への配慮は変わらず、訓練用の広い土地がありません。

しかも、電波法・航空法のハードルにより、基本的に民間の電波は使えず、周波数帯域が足りていません。同時に多数を飛ばす以上、ドローン運用には周波数の冗長性が欠かせず、総務省・国土交通省との折衝が必要です。

島嶼戦では活躍機会が少ない(出典:アメリカ海軍)

そもそも、日本の有事は「海・空」を巡る戦いになり、ウクライナとは運用環境が違います。露宇戦争は双方が航空優勢を取れず、地対空ミサイルが膠着状態をもたらしました。

しかし、海・空戦では拮抗状態が起きづらく、小型ドローンに限っていえば、地上戦ほどは活躍できません。

それゆえ、島嶼部での地上戦を除けば、小型ドローンの活躍機会は少なく、広大な海洋という地理的特性を考えると、航続距離で優る航空機と大型ドローン、無人水上艇・無人潜水艇の方が役立ちます。

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