防衛駐在官になれる条件
では、防衛駐在官になるにはどうしたらいいのか?
まず、以下の要件を満たさなければなりません。
- 3佐以上の幹部自衛官(A幹部)
- 指揮幕僚課程(CS)卒業者
- TOEIC600点以上の英語力
- 良好なコミュニケーション能力
大前提として幹部自衛官でなければ、そもそものスタート地点に立てません。
したがって、陸海空の幹部候補生学校を卒業して3尉から3佐を目指すことが最初のステップです。
そして、英語力や勤務成績などが重要になりますが、上記の要件以外にも「人物評価」が考慮されるため、上司や部下、同僚から評価される人格が欠かせません。防衛駐在官は自衛隊を代表して外務省へ、その後は日本代表として外国に派遣されるわけですから、外に出しても恥ずかしくない人が選ばれます。
ここで注意したいのが、幹部自衛官には「A幹部」「B幹部」というランクがあって、前者はエリート扱いで昇任も早く、防衛大学校の卒業生、または一般大学を卒業してから幹部候補生学校に入った者です。
これに対して、B幹部というのは主に自衛隊内から選抜された「部内幹部」を指し、A幹部と比べて昇任は遅く、到達できる最終的な階級やポストは限られています。
改めて要件を見てみると、防衛駐在官は基本的にA幹部を対象としたもので、B幹部は想定されていません。
上級指揮官の育成を目指す「指揮幕僚課程(CS)」を卒業していることも要件のひとつですが、このCSもA幹部向けの教育コースなので、ここでもB幹部は大きな壁にぶち当たります。
しかし、B幹部に希望の光がないわけではなく、2佐ポスト(モロッコやヨルダンなど)であれば、B幹部でCSを卒業していなくてもなることは可能です。もちろん、B幹部の中でも相当優秀でなければ選ばれませんが。
それでも、防衛駐在官は幹部自衛官でもエリートとされるA幹部向けのポストであるため、なりたい人は防衛大学校もしくは一般大学を卒業後、幹部候補生学校に入ることです。
そして卒業後は語学力や人格を磨きつつ、優秀な勤務成績を残してCS入校を目指しましょう。あと、人事面談と希望調査では防衛駐在官を志望している旨を毎回強調するように。
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