航空・海上自衛隊でも運用されているC-130
さて、航空自衛隊はC-130Hを14機、空中給油型のKC-130Hを2機運用していますが、国内の各基地を結ぶ定期便として輸送任務に従事してきたほか、陸上自衛隊の第1空挺団の降下訓練を始めとする各訓練の支援に使われてきました。
また、イラクへの自衛隊派遣やアフガニスタンでの邦人救出任務でも本機が活用されましたが、C-130シリーズは多くの国が導入していることから現地で整備する際に互換性を期待できるというメリットもあります。
さらに、珍しい使われ方として手術を含む医療行為を行える「機動衛生ユニット」を搭載して患者を治療しながら空輸する任務が挙げられます。
これは手術室をそのままコンテナに内包したもので、コンテナごと輸送機に載せて医療設備がより整った病院まで長距離移送します。
一方、海上自衛隊もC-130を運用していますが、こちらは「C-130R」という別の派生型になります。もともとは、空自と同じC-130Hを導入して、機雷投下用に使う予定だったものの、この構想は実現しませんでした。
そこで、老朽化したYS-11M輸送機の後継として米海兵隊の給油機KC-130Rを6機購入し、空中給油機能を外した「C-130R」として南鳥島や硫黄島などの離島と本土を結ぶ連絡機として新たに運用することになりました。
後継機はC-130しかない?
優れた中型戦術輸送機であるC-130Hの後継については米軍が運用している「C-130J スーパー・ハーキュリーズ」が該当するといえますが、既述のように基本設計の完成度が高いことから以下のような改良は施されたものの、大きな進化はありません。
・出力が増した新型エンジンの搭載
・積載能力が19トンから20トンへ増大
・最高速度を660kmへ増大
・航続距離を5,000kmへ延伸
・コックピットにディスプレイを設置
・自動化による省人化(3名のみで運用可能)
・空中投下能力の強化
優秀な基本設計のおかげでまだ使えるC-130は、置き換えられるほどの性能とコスパを持つ機体が登場しない限り、今後もベストセラーの座を維持し、日本の自衛隊も「C-130J」を導入する可能性があります。
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